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思い出系の物をきれいさっぱりと捨てる

捨てられない、その理由

物を捨てる、整理するのは良いとしても思い出系のものだけはどうしても
捨てられない、という人がすごく多い気がします。

思い出の物を大事にすること＝
思い出の対象となっている人を大事に思うこと　または、
思い出の物を大事にすること＝思い出の記憶を大事にすること
だと、勘違いしていませんか。
思い出は物ではありませんから、この公式は成り立ちません。

私は以前、家族が引越しのために思い出のキタナイ物体を出してきた時に
捨てよう、と言ったことがありました。
汚れて、どうにも使いでのない物体で、しかも相当な場所をとり、
狭い家の収納を1/3は取ってしまう勢いで
明らかに生活空間を侵食していました。

引越しをしても、その物体が場所を占有することは目に見えています。

その人はものすごく怒って、そのあと1ヶ月以上口もききませんでした。
私はとてもショックでした。
なぜなら私が捨てようと言ったその物体は、
私や兄弟が幼いときに使っていた物の山だったからです。
私自身の思い出物体でもあったわけです。

それらの物はそれぞれ役目を終えて、ただ保管されている
使いでの無いもの。
生活空間が侵食され、それらを捨てようと言っただけで人間関係を
ガタガタにしてしまうほど、大切な物でしょうか。
ましてや、私はその思い出物体の当事者です。
思い出の対象人物の私やこれから作っていく思い出よりも
思い出物体が大切な家族に失望し、傷つきました。

その人はこの時点で思い出の対象となる私を傷つけても気にはならず
思い出物体に執着しており、現実を見ていません。
そして私と関わる新しい思い出を作る機会も無くなってしまいました。
思い出の対象人物にショックを与え、共有して楽しむ思い出の記憶も
踏みにじったことになり、残念なことです。

物を大事にすることと、人や過去を大事にすることは別のことです。
大切な人との関係よりも大事な物があるはずもない、と私は思います。


思い出の証拠となる、思い出の品々を溜め込んで、
それが自分の生きた証、なんていうとちょっと大げさですが
そんなふうに思っていませんか。
過ごした時間やその価値、素敵な記憶や経験はその人の中にあって
それらが、持ち物の物量や物で証明できるはずもありません。


歳をとったら、溜めておいた思い出の品々を眺めて
いろいろと思い出すきっかけにしよう、などと思っていませんか。

物をきっかけにしないと思い出せないくらいにまで
歳を取るときまでの間、ただでさえ狭い家の中で
大量の思い出物体に埋もれて生活するなんて勿体無いです。

物をきっかけにしないと思い出せないくらいにまで歳を取ったとき、
思い出の物を眺めて、思い出から離れられずに暮らすより、もっと気分よく
何かに熱中していたほうが楽しく、充実した時間になるとは思いませんか。
また、亡くなったときに大量の思い出の証拠を処分する人のことも
ほんの少しだけ考えたほうがいいかもしれません。


他にも思い出物体を処分できない理由があります。
物を大事にすることは良いことだ、人にもらったものを捨てるなんて
冷たいことはできないという美徳意識です。

物と人は違います。思い出の物は思い出の対象に
とって代わることはできず、物は物に過ぎません。
物を処分したからと言って、人に冷たいわけではありません。
義理立てしていやいや持っているのなら、そのほうが迷惑かもしれません。
お気持ちだけいただいて、と言いますがそのとおり。
処分する行為が冷たいと思うのであれば、一生思い出の物に囲まれて
人と向き合わずにいるしかありません。

物を大事にして悪いことはありませんが、それは大事にする物しだいです。
使いでのないもの、取って置く理由のないものをためておくことが
物を大事にすることではないし、物を大事にしている、
ということから離れています。
物を大事にすることはただ取っておくこと、溜めておくことではなく
整理し使うことではないでしょうか。
明らかに使われることの無い思い出系の物は、
大事にされているとは言い難いのではないかと思います。

思い出系のものをきれいさっぱり捨てよう　３
思い出系の物体を捨てて、新しい思い出を記憶に残そう



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